◆ 佐藤 喜久二 ◆

特任参与  佐藤喜久二

「都道府県国民保護計画に見る国民保護対策本部の課題と対策」

はじめに

平成16年5月、国民保護法(以下「法」という)の成立に伴い地方公共団体は 平成18年度末までに一部の市町村を除き国民保護計画の策定を完了(1)すると ともに、平成17年度からは国と一部地方公共団体との合同、或いは自治体単 独で、都道府県域における国民保護措置の推進母体となる都道府県国民保 護対策本部(以下、特に区分する必要がある場合を除き「対策本部」とい う)の対処能力の向上などを目的とした国民保護訓練が行われている。 しかし、訓練内容を確認できた複数の対策本部活動を見る限り、対策本部の 構成組織相互間や対策本部と関係機関相互の連絡調整を通じた対策の検討、 決定といた組織的な活動は必ずしも十分に行われていないのが現状である。
本論文は、都道府県国民保護計画に見られる対策本部の組織について組織論 の視点から分析し、前述した現状の背景にある課題を明らかにすると共にそ の対策を提言し、今後の対策本部の体制整備に資するものである。
なお、対策本部の現状把握にあたっては、「内閣官房国民保護ポータルサイ ト」(2)を通じて入手した都道府県国民保護計画などの公刊資料を活用した。

1.都道府県対策本部の所掌事務と対策本部長の権限

 本項では、次項以下の論述の前提となる対策本部の所掌事務と対策本部 長の権限について法の記述内容を確認する。
対策本部は、内閣総理大臣から の設置通知に基づき設置されるが、その所掌事務は、「当該都道府県及び 当該都道府県の区域内の市町村並びに指定公共機関及び指定地方公共 機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置の 総合的な推進に関する事務をつかさどる。」(3)とされ、総合調整機関としての 性格を有している。この総合調整とは、「避難措置の指示」(法第52条)や 「救援の指示」(法第74条)など国による法定通知に基づき避難経路の選定 や輸送手段の確保、避難所避難者に対する救援物資の確保・輸送などといった 各知事部局や関係機関が分掌している個々の対策を都道府県域全体として整合 の取れた措置となるよう広域的な観点から調整し、それらが円滑に行われるように することである。又、これを担保するため法第29条において、対策本部長は国民保 護措置を「的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるとき」(4)は次の権限 を行使できるとされている。


@当該都道府県、関係市町村、関係指定公共機関、関係指定地方公共
機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民保護措置に関する
総合調整
A指定地方行政機関、指定公共機関に対する指名職員の派遣の求め
B国対策本部長に対する指定行政機関、指定公共機関が実施する
国民保護措置の総合調整の要請及び国民保護措置に関する情報
提供の求め
C当該都道府県警察及び当該都道府県の教育委員会に対する必要な
限度における必要な措置の求め


これらを図示すれば図−1 のようになる。ここで注目すべき点は、都道府県の執行機関(各部局)を対策本部長に よる総合調整の対象と位置づけていることである。

図-1


 

| プリント用PDF(3800K) | ▲ このページのトップへ |
2.都道府県対策本部の組織>>
 ● 会 社 概 要
は じ め に
基 本 使 命
沿 革 ・ 概 要
危 機 管 理 実 績
所 在 地
案 内 図
 ● 業 務 案 内
危機管理コンサルティング
事業
河 川 情 報 事 業
 ● ト ピ ッ ク  ス
お 問 い 合 わ せ
webmaster@dpsol.co.jp
[メインメニューへ>>]
©2003-2004 Integrated Disaster Prevention Solutions. All Rights Reserved.